<第1回>れんこん の栽培~収穫まで
旬な季節はいつ?
毎年6月に新れんこんの収穫が始まり、翌年の5月頃までのほぼ1年を通して収穫されます。
10月~12月(年末)が『れんこんの旬』の時期となります。
れんこんの栽培&収穫
<植え付けの前準備・3月上旬>
元肥として数種類の肥料を使用し代かきを行います。
代かき作業の目的は、
①土を柔らかくし植え付けをしやすくする。
②土に肥料が混ざり易くする。
③土を平らにし水を均一に張るようにする。
3月下旬で気温が高くなり芽が動き始めます。
れんこんは芽を折らないように泥の中に植え付けしなければならない為、芽が伸びる前に植え付けを行います。
この時期は農家さんにとって、毎日時間に追われる作業が続きます。
<植え付け開始・4月上旬>
種れんこんの堀り上げを行います。れんこんの種は小袋に入って売られている乾燥した種とは違います。
今年種として使用するれんこんは、前年に田んぼに植え付けられ、種として使用するれんこんとしてキープされます。
それを毎年4月上旬に今年分の種(種れんこんという)として掘り上げ、植え付けをし直し成長させます。
掘り上げられた種れんこんは「レンコンポート」と呼ばれる専用の”船”で 植え付けを行う田んぼに運びます。
れんこんは基本、田んぼの泥の中に植え付けます。
れんこんの先端の芽は泥の中で成長し伸びていくので、芽が折れないようしっかり隠れるまで泥の中に植え付けるのがポイントです。
また、種れんこんから伸びている新葉はまだとても柔らかく、弱いので、葉を折らないよう注意し、太陽の恵みをたっぷりと浴び、養分をどんどん吸収できるようにします。
4月上旬に植え付けたれんこんは天候が順調であれば5月上旬に最初の浮き葉が開き、立ち葉と呼ばれる葉が出てきます。
立ち葉が出ると追肥作業の始まります。
植え付けは5月下旬を目途に終了します。
この時期は”れんこんの収穫”と”種れんこんの植え付け”を並行して行います。
あとは葉が大きくなり養分を吸収しれんこんが、泥の中でぐんぐん成長する暑い夏が来るのを待ちます。
<収穫・6月上旬>
6月上旬からハウス栽培の収穫が始まります。
ハウス栽培は露地栽培より、1ヶ月~2ヶ月早く植え付けを行う(2月上旬~3月初め)のでその分収穫時期が早くなります。
露地栽培の収穫は天候が順調であれば8月初めから始まります。
8月のお盆には新れんこんが出回ります。
<収穫後~お届けまで>
収穫作業は地下水を汲み上げ、ポンプの水圧で泥を飛ばしながら手作業で行います。
とても強い水圧なので、ホースからの水を直接れんこんに当てて、傷を付けないよう細心の注意を払います。
また、田んぼの深さは膝から腰ほどもあり、強力な水圧で掘り上げる収穫作業は経験を
重ねた熟練した技が必要な最も重労働で難しい作業です。
茨城れんこんの収穫は霞ヶ浦の豊富な水の恵みにより、支えられています。
そして、収穫したれんこんを一つ一つ手作業で洗浄します。
(このときに根っこや葉っぱも削ぎ落します)
洗浄したれんこんの検品作業(品質や異物混入などの厳しいチェック)を行い、一本ずつ箱詰めをして、全国の企業様のもとへ届けられます。
番外編・カラ刈り
堀り上げ(収穫)前にれんこんの赤シブを抜く為の「カラ刈り」と呼ばれる作業を行います。
「カラ」とは・・・れんこんの茎部分を言います。
葉から茎を通って吸収された酸素が泥の中でれんこんの表皮から放出されるときに酸化し、赤色のシブ(酸化鉄)となって表面につく為にれんこんの表面が赤くなります。この変色を防ぐ為に茎から酸素が入らないよう「カラ」を刈り、表皮の赤シブを抜く作業を「カラ刈り」と呼んでいます。
この赤シブは人体に害になるものではありません。赤シブを抜かなくても品質的には何の問題もないものです。